この記事を書いた仕組みの話

記事作成AIエージェントシステムの全体図

いま読んでいただいた記事は、私(佐藤誠一)が書いたものではありません。
記事作成AIエージェントが書き、私が編集しました。

かかった時間は、実動で1時間以内です。
同じ長さの記事を自分の手で書いていた頃は、18〜20時間かかっていました。

このページでは、その仕組みの中身を公開します。
9ステップの設計・品質の保ち方・4年半で踏んだ失敗まで、隠さずに書きます。

売り込みのために整えた話ではありません。
すべて自社の記事制作で実行し、いま毎月動いている仕組みです。


記事1本の実動時間が18〜20時間から1時間以内になりました

同じ「SEO記事1本」を作るのにかかった実動時間の推移です。

段階手法実動時間短縮率
① 手書き全部自分で書く18〜20時間(2万字の長尺記事)
② プロンプトClaude Projects・Gemini Gem にプロンプトを登録約6時間①比 約3分の1
③ AIエージェントClaude Code でエージェント化1時間以内(短いと30分)①比 20分の1

数字の基準を先に書きます。
ここでいう実動時間は、AIの処理待ちを除いた、人間が手を動かしている時間です。

Claude Code で記事を書く場合、作業時間の約9割はAIの処理待ちになります。
その待ち時間まで含めた経過時間と混同すると、比較にならないためです。

注目していただきたいのは、②と③の差です。
「AIを使う」と「AIをエージェントにする」のあいだに、まだ6分の1以上の開きがあります。

多くの会社は②で止まっています。
プロンプトを登録して、そこが上限だと考えてしまう段階です。

この1時間はほぼ全部が編集の時間です

いま私がやる作業は、編集・チェック・検品だけです。
執筆そのものが、人間の工程から消えました。

つまり上の表の「1時間以内」は、編集にかかっている時間そのものです。
執筆に1時間、そのあと編集に30分、といった足し算ではありません。

工程手書き時代現在
執筆人間AIエージェント(人間の実動はゼロ)
一次情報の収集人間聞く・思い出す作業のみ(実動はほぼゼロ)
ファクトチェック目視で全件Claude Code で実施
編集・検品3〜4時間30分〜1時間弱(最長1時間半・まれ)

そのうえで、編集・検品の工程だけを取り出しても、時間は短くなっています。
3〜4時間かけていたものが、30分〜1時間弱です。

直す箇所そのものが減ったためです。

「品質が上がりました」とは書きません。
主観だからです。

代わりに、私が直す時間が3〜4時間から30分〜1時間弱になった、と書きます。
これなら自社に当てはめて計算していただけます。

外注ライター10名をゼロにして本数はむしろ増えました

外注ライター月間の外注費月間の制作本数減った理由
2024年10名20〜30万円約30本
2025年4名20万円程度約30本プロンプト化
2026年(現在)ゼロゼロ34〜35本エージェント化

人数は外注していたライターの人数で、私を含みません。
2024年は私と外注10名の11名体制でした。

先に書いておきたいのは、案件が減ったわけではないことです。
本数は約30本から34〜35本に増えています。
人員が減ったのは受注が細ったからではなく、1人あたりの生産量が変わったためです。

外注費は年額に直すと、2024年で240〜360万円でした。
現在はゼロです。

そして、時間の3段階(手書き→プロンプト→エージェント)と、この人員の推移は、同じ2段階で動いています。

段階やったこと時間人員
2024→2025プロンプト化18〜20時間 → 約6時間10名 → 4名
2025→2026エージェント化約6時間 → 1時間以内4名 → ゼロ

記事作成の9ステップをそのまま公開します

キーワードの取得から編集まで、9つのステップに分かれています。

ステップやること仕組み側でやっていること
キーワード取得Ahrefs・Ubersuggest と接続し、関連キーワード・再検索・よくある質問・競合の流入キーワードを自動取得
競合記事リサーチ日本のGoogle上位を取得し、各競合のタイトル・見出し構造を自動収集
一次情報の取得社内に蓄積した一次情報から候補を自動で拾い、人間が追加する
構成作成採点役のAIが90点まで採点し、届くまで書き直させる
タイトル作成型に沿って候補を複数生成
執筆執筆役のAIがH2単位で書き、禁止表現の修正役と採点役が回す
内部リンク設置既存記事の一覧を参照して自動で設置
導入・セールス・まとめの執筆媒体ごとの型に沿って生成し、採点で90点まで回す
編集記事全体をルールに照らして編集し、事実検証まで実施
記事作成AIエージェントシステムの全体図。9つの工程それぞれに人の確認ゲートがあり、構成・執筆・編集の工程には採点ループが組まれている
実際に動かしている記事作成AIエージェントの全体図です。オレンジが人の確認ゲート、青が工程内の採点ループ、緑が編集の学びを次の記事へ戻す仕組みにあたります。

各ステップは成果物をファイルに書き出して、そこで必ず止まります。
1ステップ=1成果物=1確認ゲートです。

止める理由は、AIに最後まで走らせないためです。
9ステップを一気に通すと、どこで判断がずれたかを人間が追えなくなります。

公開の判断も人間がします。
エージェントが作るのは下書きまでです。

「AIで何ができるか」から設計していません

9ステップの構成は、私がSEO記事を12年書いてきた手順そのものです。
AIのために作り直した工程はありません。

多くのAI開発は「AIで何ができるか」から設計します。
こちらは先に人間の正しい手順があり、それをAIに移しました。

順序が逆になっています。

この差が、途中で捨てた設計がほぼない理由です。
うまくいかないときに疑うのは工程の順番ではなく、その工程をAIに渡す渡し方のほうでした。


品質の保ち方は3つです

AIで記事を書くと質が落ちる、と考えられています。
実際、私も一度落としました。

そのときに選んだ対処が、人間のチェックを増やすことではなく、ルールを仕組み側に持たせることでした。
人間の作業時間を増やす方向に逃げると、AIを入れた意味が消えます。

①90点になるまで出荷させない

構成も本文も、採点役のAIが点数をつけます。
90点に届かないあいだは、書いた本人のAIに書き直させます。

人間が「もう一度書いて」と指示する必要はありません。
合格するまで自分で回るように組んであります。

この手法は、n8n・Dify でワークフローを作っていた時期に見つけました。

②編集ゲートを多層にする

編集は1回ではありません。

1本の記事が、違う基準の検品を何度も通る構造です。

③Geminiを敵対勢力として校正に当てる

品質にいちばん効いたのがこれです。

Claude Code が書いて編集した記事を、Gemini の校正プロンプトにぶつけます。
書いた側と、別のAIに意見を出し合わせます。

単一のAIに書かせて、同じAIに直させると、自分の書き癖を疑えません。
別の系統のAIを当てると、そこが崩れます。

クライアント納品で求められる細かい日本語のニュアンス調整は、これで成立するようになりました。

「AIで記事を書きます」と言う会社は増えました。
複数のAIを対立させている会社は、まだ多くありません。


「同じ文末を3連続させない」が100%守られるようになりました

プロンプトとエージェントの違いを説明するのに、いちばんわかりやすい例です。

文章のルールに、「同じ文末表現を3回続けない」があります。
「〜です。〜です。〜です。」と並ぶと、読みにくくなるためです。

プロンプト時代は、このルールを指示に書いていました。
それでも、守られたり守られなかったりしました。

Claude Code でエージェント化し、プログラムとして処理させたところ、100%防げるようになりました。

指示が「お願い」から「処理」に変わったからです。

抽象的な話に聞こえるかもしれませんが、これが起きているのは1つのルールだけではありません。
文体・表記・禁止表現・数字の扱いまで、同じ構造で仕組み側に移しています。

御社の業務にも、「毎回言っているのに毎回直っていないこと」があるはずです。
それがルールとして書き出せるなら、仕組み側に持たせられます。


4年半で踏んだ失敗を3つ書きます

うまくいった話より、こちらのほうが役に立つと考えています。

①一次情報がない記事は公開しても順位が付きませんでした

AIだけで書き、インターネット上から集めた情報だけで構成した記事を公開しました。
結果は、Google検索で順位が付きませんでした。

AIが集められるのは、すでに検索結果にある情報だけです。
それを組み直しても、Googleから見れば重複でしかありません。

順位を取るには、検索しても出てこない情報を足すしかありません。

だから、いまも人間がやる工程を1つだけ残しています。
一次情報の収集・整理・言語化です。

情報を「見つけてくる」「作り出す」ことは、AIにはできません。

②外注ライターへの指示は何をやっても矛盾に突き当たりました

外注ライター10名の体制で、品質を揃える指示の仕組みを作ろうとしていた時期があります。
マニュアルをGoogleドキュメントにまとめ、文章で伝えにくい部分はYouTubeの限定公開動画とLoomで補いました。

どの手段にも矛盾がありました。

手段ぶつかった矛盾
テキストで指摘を書くその文字数で、そもそも自分が直せてしまう
動画で指摘するライター側の負担が跳ね上がる
動画に一本化するテキストのほうがわかりやすい指摘もあり、一本化できない
マニュアルを整備する業務委託のライターが、細かく読んでそのとおりに書いてくれることはほぼない

結局、速いほうを選んで自分で直すことになります。
そこから悪循環が始まりました。

  1. 修正指示を書く労力と、自分で直す労力がほとんど変わらない
  2. 速いほうを選んで自分で直す
  3. 直した理由がライター側に残らない
  4. 次の記事でも同じ箇所を直すことになる
  5. 書き手が育たないまま、同じミスがくりかえされる

「自分で直したほうが速い」。
この判断が、次の依頼のコストを下げないどころか固定してしまいます。

誤解のないように書いておくと、ライター個人の問題ではありません。
業務委託の契約形態そのものから来る、構造の話です。

品質を支えていたのは仕組みではなく、私の作業時間でした。
だから、ルールを人に渡すのをやめて、仕組み側に持たせる方向へ切り替えました。

③プロンプトを渡してもエージェントにはなりませんでした

手持ちのプロンプトを Claude Code に渡し、「これで記事作成のシステムを作って」と指示しました。

返ってきたのは、プロンプトでした。

これでは今までとやり方が変わりません。
ここで時間を使いました。

Claude Code に相談してわかったのは、エージェント開発に使う機能の呼び名を、指示の中に先に並べる必要があることでした。

これらを挙げて「この機能を使って作ってください」と頼むと、返ってくるものが変わりました。

「プロンプトを渡す」と「エージェントを設計する」は、別の作業です。


突破口になった指示文をそのまま載せます

Claude Code で記事作成のAIエージェント化に初めて成功したときに打った指示です。
改変せずに載せます。

以下に添付しているのは、◯◯◯◯の工程とそのルールに関する資料です。
◯◯◯◯するAIエージェントを構築してほしいです。
モジュール、スキル、フック、プラグイン、MCP連携、サブエージェント、RAG、その他最新のClaude Codeの機能でフィットするものがあれば、あと、何か効率的な組み合わせがあれば提案してほしいです。
〜やりたいことの工程とルールに関する資料をすべて添付〜

◯◯◯◯ には、御社の業務名を入れてください。

指示の中に並べた機能の呼び名は、それぞれこういうものです。

呼び名AIに作らせるもの
モジュール機能ごとの部品
スキル作業ごとの手順書
フック決まったタイミングで自動的に走る処理
プラグイン後から足す機能
MCP連携外部のサービスやデータとつなぐ仕組み
サブエージェント役割ごとの担当
RAG社内のデータを参照させる仕組み

うまくいった理由は、使う機能を私が決め打ちせず、「フィットするものがあれば提案してほしい」とAI側に選ばせた点にあると考えています。

ただし、前提が1つあります。
添付する資料は、任せたい業務の工程とルールを人の言葉で書き出したものです。

私の場合はそれが、12年かけて固まった9ステップでした。
ここを先に書き出す作業だけは、省けません。


4年半の年表

時期できごと
2022年12月ChatGPT のリリース直後から使用開始。仕事で使えるレベルではないと感じた
2025年1月SEO記事の継続案件が終了。AIが仕事を奪う波が来た、と危機感をもつ
2025年夏プロンプトで記事を書く技術を、ある程度確立
2026年3月n8n・Dify で記事作成AIエージェントの開発に着手。90点まで書き直させるループ手法を発見
2026年6月n8n・Dify で作った内容を Claude Code に移管
2026年8月満足のいく品質に到達

作り直した回数は数えきれません。

ただ、この4年半は、AIの進化と並走した4年半でもあります。
2022年の私は、2026年の道具をまだ使えませんでした。

いまから始める方は、もっと早くできます。

根拠は、私の最後の工程にあります。
n8n・Dify から Claude Code への移管は、2ヶ月弱で完成しました。
先にワークフローの設計経験があったからです。

つまり、時間がかかったのは道具の習得ではなく、任せたい業務の工程とルールを書き出す作業のほうでした。
そこは、いまから始める方も同じだけ必要になります。
逆に言えば、そこさえあれば、4年半はかかりません。

つまずくのは途中で諦めるところです

同じものを作ろうとする方を見ていて、最大のつまずきは技術ではありませんでした。

「AIが書く記事なんてこんなもんでしょ」と、本当はもっとできるところで見切りをつけてしまうことです。

私の考え方諦める方の考え方
前提だいたいのことはAIでできる人間の仕事も残って当然・残すべき
結果諦めが悪くなり、開発が進む途中で開発をやめる

技術の差ではなく、前提の差です。


この仕組みを御社の業務で作ります

ここまで書いてきたものは、すべて自社の記事制作で実行した結果です。
現在も、5媒体・月34〜35本を、この仕組みで制作しています。

同じ考え方で、御社の業務をエージェント化する開発をお受けしています。
対象は記事作成に限りません。
工程とルールが書き出せる業務であれば、同じ構造で組めます。

お問い合わせ

「何から書き出せばいいかわからない」段階でも構いません。
そこの整理から一緒にやります。