
オウンドメディアの費用対効果は高い?|計算方法と回収できる会社の条件
公開日:2026年9月26日
「オウンドメディアの費用対効果を、稟議に書ける数字で示せない…」
「記事を出し続けているのに、費用に見合っているのかがわからない…」
この記事を監修している佐藤誠一は、自社とクライアントのオウンドメディアを運用しているSEOの実務家です。
先に結論です。
オウンドメディアの費用対効果が高いかは、自社にしかない一次情報を記事に出せるかで決まります。
一次情報とは、自社の実績・お客様の声・社員の体験談のように、自社が直接見聞きして得た情報のことです。
いまのSEOでは、一次情報が入った記事ほど評価され、検索の上位に来やすいのが現状です。
一次情報を出せる会社なら、記事を作る社内の時間をAIエージェントで減らせるので、記事にかける費用を抑えながら回収を狙えます。
とはいえ、稟議に書く数字をどう出せばいいのかは、わかりにくいですよね?
この記事では、目的別の計算方法から、費用対効果を出せる会社の条件までを解説します。
この記事でわかること
- 記事から依頼や売上が生まれた3つの実例
- 外注費に上乗せされる書き直しの人件費
- 外注からAIエージェントに替えた毎月の差額
- 効果測定をする3つの時期と見る数字
読み終えると、自社でオウンドメディアを始めるか、続けるかを数字で判断できます。
稟議や社内の説明に使う材料として、参考にどうぞ。
オウンドメディアの費用対効果は高いのか
オウンドメディアの費用対効果は、広告と違い、運用の長さと記事の本数によって変わってきます。
一次情報を出せる会社が記事を積み上げたときに費用と成果がどう動くかを、以下の3つの面から解説します。
オウンドメディアの費用対効果の仕組み
- 広告と違い記事は公開後も集客を続ける
- 運用が長いほど問い合わせ1件の費用は下がる
- 記事の本数が積み上がるまで成果は出にくい
まずは広告との違いから見ていきましょう。
広告と違い記事は公開後も集客を続ける
オウンドメディアの記事は、公開したあとも検索から読者を集め続けます。
検索結果に記事が表示されているかぎり、同じ言葉で検索した人が毎月のように読みに来ます。
広告と比べた違いは以下のとおりです。
| 比較軸 | 広告 | オウンドメディア |
|---|---|---|
| 止めたあとの集客 | 出稿を止めると途切れる | 公開済みの記事から続く |
| 費用の出方 | クリックや表示のたびに発生 | 主に記事を作るときに発生 |
| 資産になるか | 出稿を終えると手元に何も増えない | 公開した記事が自社のサイトに積み上がる |
記事は公開した翌月以降も集客を続けるぶん、制作費を広告費より長い期間で回収できます。

運用が長いほど問い合わせ1件の費用は下がる
運用を続けるほど問い合わせ1件あたりの費用が下がっていくのも、広告にはないオウンドメディアの特徴です。
記事の制作費は公開するまでに払い終わり、公開後に問い合わせが1件届くごとに制作費が増えることはありません。
広告で毎月同じ件数の問い合わせを得るには、毎月同じだけの出稿費がかかります。
以下は、記事の制作に毎月10万円をかけ、問い合わせが1年目は月2件、記事が増えた2年目は月6件だった場合の仮の数字です。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 1年目の費用 | 10万円×12ヶ月 | 120万円 |
| 1年目の問い合わせ1件の費用 | 120万円÷24件 | 5万円 |
| 2年目までの累計の費用 | 10万円×24ヶ月 | 240万円 |
| 2年目までの問い合わせ1件の費用 | 240万円÷(24件+72件) | 2万5,000円 |
※問い合わせの件数は、業種や記事のテーマによって上下します。

1年目だけを切り取ると割高に見えても、公開した記事が残り続けるぶん、1件あたりの費用は運用を重ねるほど下がっていきます。
記事の本数が積み上がるまで成果は出にくい
オウンドメディアの成果は、記事の本数が積み上がるまで出にくいです。
記事が数本しかないうちは、読者が検索から入ってくる入口も、問い合わせにつながる記事も限られます。
本数が増えると起きることは以下のとおりです。
記事の本数が増えると起きること
- 読者の入口になる検索語が増える
- 関連する記事どうしをリンクでつなげられる
- 問い合わせを受けられる記事が増える
例えば、経費精算システムを扱う会社で「経費精算 やり方」の記事が1本だけなら、読者は1本を読み終えたところで離れやすいです。
「経費精算 システム 比較」などの記事までそろうと、読者は関連する記事をたどって、サービスの紹介ページまで進みやすくなります。
記事の本数が少ない段階の問い合わせ件数だけで、オウンドメディアの費用対効果が低いと判断しないようにしましょう。

オウンドメディアの費用対効果が見えた実例
公開した記事が読まれ続けると、仕事の依頼・相談の申し込み・売上といった成果につながります。
私(佐藤)が運営しているメディアと担当したメディアから、オウンドメディアの費用対効果が見えた実例を3つ紹介します。
業種は違っても、自社の商品やサービスに置き換えながら読んでみてください。
費用対効果が見えたメディアの実例
- 自分のメディアには企業から毎月のように依頼が届く
- 転職系のメディアでは月100件の相談申し込みを得た
- アフィリエイトで年間300万円の売上を上げた
最初に紹介するのは、自分のメディアに企業から届いている依頼です。
自分のメディアには企業から毎月のように依頼が届く
私が運営しているメディアには、いまも記事を読んだ企業から毎月のように仕事の依頼の問い合わせが届いています。
私のメディアの場合
依頼が届いているのは、Webライターの学校とさとうのキモチの2つのメディアです。
仕事の依頼の問い合わせに加えて、セミナーの依頼を受けたこともあります。
法人向けの商品やサービスを扱う会社なら、発注先を探している企業の担当者に記事が読まれれば、同じように問い合わせにつながるでしょう。
問い合わせが1件届くたびに、記事にかけた費用の回収が進んでいきます。
転職系のメディアでは月100件の相談申し込みを得た
転職相談の申し込みを記事から集めていたのが、私が以前担当した転職エージェントのメディアです。
転職エージェントのメディアでは、記事を読んだ人が相談を申し込んだ件数が、そのまま成果の数字です。
担当したメディアの場合
転職エージェントのメディアを担当した際は、記事から月100件の転職相談の申し込みを獲得しました。
自社のサービスに置き換えると、見積もりの依頼や資料請求が転職相談の申し込みにあたり、記事から届いた件数が費用対効果を計算する材料になります。
アフィリエイトで年間300万円の売上を上げた
副業として運営していたメディアでは、紹介した商品が申し込まれると報酬が入るアフィリエイトで、記事から直接売上を上げていました。
商品を比べて選びたい読者に記事が読まれるほど申し込みが増え、売上が積み上がっていく仕組みです。
副業で運営したメディアの場合
アフィリエイトで上げた売上は、年間300万円に達しました。
1件あたりの報酬は数百円〜1万円ほどだったので、成約は年間300〜6,000件ほどにあたります。
※成約の件数は、1件の報酬を500円〜1万円として、年間300万円を割った目安です。
自社の商品を記事から申し込めるようにしておけば、記事にかけた費用を売上の金額と比べて確かめられます。
目的別のオウンドメディアの費用対効果の計算方法
実例で見た仕事の依頼や売上のように、メディアが生む効果の種類は目的ごとに違います。
オウンドメディアの費用対効果も、目的に合わせて割る数字を変えて計算します。
目的ごとに測る数字は以下のとおりです。
| 目的 | 測る数字 |
|---|---|
| リード獲得 | 問い合わせ1件あたりの獲得費用 |
| 商品の販売 | 記事からの粗利で出す回収率 |
| 採用 | 求人広告と比べた1人あたりの費用 |
| 認知拡大 | 社名の検索数の伸び |
計算の流れは、どの目的も月10万円をかけた仮の数字で見ていきましょう。
リード獲得が目的なら1件あたりの獲得費用で測る
リード獲得が目的のメディアは、問い合わせ1件を得るのにかかった費用(CPA)で費用対効果を測ります。
CPA(シーピーエー)とは、問い合わせなどの成果1件を得るのにかかった費用のことです。
リードとは、問い合わせや資料の請求で連絡先を残してくれた見込み客のことです。
1件あたりの金額にそろえると、広告で集めた問い合わせと同じ物差しで比べられます。
以下は、月10万円をかけて記事からの問い合わせが月5件あったとする仮の数字です。
| 項目 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 月の費用 | 記事の制作費・サーバー代・社内の人件費などの合計 | 月10万円 |
| 記事からの問い合わせ | 問い合わせのうち記事を読んで来た件数 | 月5件 |
| 1件あたりの獲得費用(CPA) | 月の費用÷記事からの問い合わせ | 2万円 |
| 1件にかけられる上限 | 受注1件の粗利×問い合わせから受注する割合 | 5万円(粗利50万円×10%) |
※数字は仮の例です。
自社の実績に置き換えて計算してください。
獲得費用の2万円が上限の5万円を下回っていれば、記事にかけた費用は受注の粗利で回収できる計算です。
自社の粗利と受注の割合を当てはめると、問い合わせ1件にいくらまで払えるかを稟議にそのまま書けます。

商品の販売が目的なら売上から回収率を計算する
記事から売れた金額をもとに回収率を出すのが、商品の販売を目的にしたメディアの測り方です。
売上は金額で出るので、記事にかけた費用とそのまま割り算できます。
以下は、記事からの売上が月30万円、粗利率が40%の商品とする仮の数字です。
| 項目 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 記事からの売上 | 記事を読んで来た人が買った金額の合計 | 月30万円 |
| 記事からの粗利 | 記事からの売上×粗利率 | 月12万円(粗利率40%) |
| 月の費用 | 記事の制作費・サーバー代・社内の人件費などの合計 | 月10万円 |
| 回収率 | 記事からの粗利÷月の費用×100 | 120% |
※数字は仮の例です。
自社の実績に置き換えて計算してください。
回収率が100%を超えていれば、記事にかけた費用を粗利で取り戻せている状態です。
売上のままで割ると仕入れの原価が引かれず、回収率が実際より高く出ます。
自社の粗利率を入れて逆算すると、記事の費用を月いくらまで増やせるかも見えてくるでしょう。

採用が目的なら求人広告の費用と比べる
採用が目的なら、1人を採用するのにかかった費用を求人広告の費用と並べて測ります。
1人あたりの金額にそろえると、記事と求人広告のどちらが安く採用できているかを同じ単位で比べられます。
以下は、年120万円をかけて記事から2人を採用したとする仮の数字です。
| 項目 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 年の費用 | 月の費用×12ヶ月 | 年120万円 |
| 記事からの応募 | 応募のうち記事を読んで来た件数 | 年6件 |
| 記事からの採用 | 記事からの応募のうち採用した人数 | 年2人 |
| 記事で1人を採用した費用 | 年の費用÷記事から採用した人数 | 60万円 |
| 求人広告で1人を採用した費用 | 求人広告に払った年の合計÷求人広告から採用した人数 | 自社の実績で計算 |
※数字は仮の例です。
自社の実績に置き換えて計算してください。
求人広告の欄には相場ではなく、自社が去年払った金額と採用できた人数を入れてください。
記事で1人を採用した費用が求人広告を下回れば、採用の予算の一部をメディアに回す根拠になります。
認知拡大が目的なら社名の検索数で測る
社名で検索された回数の増え方を見るのが、認知拡大を目的にしたメディアの計算方法です。
記事で会社を知る人が増えるほど、社名で検索して公式サイトを探す人も増えやすくなります。
以下は、月10万円をかけて社名の検索が月150回から月400回に増えたとする仮の数字です。
| 項目 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 始める前の社名の検索数 | 運用を始める前の月に社名で検索された回数 | 月150回 |
| 運用後の社名の検索数 | 同じ数え方で数えた運用後の月の回数 | 月400回 |
| 増えた検索数 | 運用後の検索数−始める前の検索数 | 月250回 |
| 検索1回を増やした費用 | 月の費用÷増えた検索数 | 400円 |
※数字は仮の例です。
自社の実績に置き換えて計算してください。
※社名の検索数は、Googleサーチコンソールの検索パフォーマンスで、自社の社名を含む検索語に絞り込むと表示回数で確かめられます。
同じ時期に展示会や広告を出していると、記事以外の理由でも社名の検索は増えます。
記事の効果に近い数字を出すなら、他の施策を出していない月どうしで比べてみてください。
認知拡大の効果は売上の金額に直しにくいぶん、検索数の伸びと1回あたりの費用を並べると、社内で説明しやすくなります。
オウンドメディアにかかる費用の内訳
どの目的で計算しても、費用対効果の割り算で分母に入るのはオウンドメディアにかかる費用の合計です。
請求書に載る構築費や運用費だけでなく、社内の人の時間も費用に含めて数えましょう。
オウンドメディアにかかる費用の内訳
- 構築費は自作か制作会社への依頼かで変わる
- 運用費の大半は記事の制作費が占める
- 社内の人の時間は作り方で20分の1まで変わる
最初に1回だけかかる構築費から解説していきます。
構築費は自作か制作会社への依頼かで変わる
構築費の中身は、サイトを自分たちで作るか、制作会社に依頼するかで違います。
自作なら社内の手間で済む作業も、依頼すると作業費として見積もりに載ります。
例えば記事のサイトを作れるWordPressは、本体を無料で使えるオープンソースのソフトです。
作り方ごとの費用の中身を以下にまとめました。
| 作り方 | かかる費用の中身 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| WordPressで自作する | ドメイン代・サーバー代・有料のデザインテンプレート代(使う場合) | サイトを更新できる人が社内にいる会社 |
| 制作会社に依頼する | 設計・デザイン・構築の作業費とドメイン代・サーバー代 | デザインや機能を作り込みたい会社 |
| 既存の自社サイトに記事の置き場を足す | 記事ページを追加する改修の作業費 | 自社サイトと同じドメインで記事を出したい会社 |
参考:WordPress.org 日本語|ライセンス
参考:WordPress.org 日本語|ダウンロード
自作と依頼で1年目の構築費がどれだけ違うかを、仮の数字で計算すると以下のとおりです。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 自作のドメイン代 | roll-jam.comの1年目の料金 | 990円 |
| 自作のサーバー代 | 月1,000円×12ヶ月 | 1万2,000円 |
| 自作の1年目の合計 | 990円+1万2,000円 | 1万2,990円 |
| 依頼の作業費 | 見積もりの例 | 50万円 |
| 依頼の1年目の合計 | 50万円+1万2,990円 | 51万2,990円 |
※ドメイン代はroll-jam.comの実際の料金で、サーバー代と作業費は説明のための仮の数字です。
制作会社の作業費は、ページ数や機能によって上下します。
自作の場合は、上の合計に加えて、サイトを作る社員の作業時間が費用としてかかります。
例えば私(佐藤)が運営するroll-jamも、自作したメディアです。
私のメディアの場合
roll-jamはWebサイトを組み立てるツールのAstroで自作しました。
記事はMarkdown形式のテキストで書き、構築でお金を払ったのは、ほぼドメイン代だけです。
ドメイン代は1年目が990円、2年目以降は年4,136円です。
見積もりを取る前に、サイトを更新できる人が社内にいるかを確かめておくと、構築費を自作と依頼のどちらで見込むかを決められます。

運用費の大半は記事の制作費が占める
毎月の運用費のうち、いちばん多くを占めるのが記事の制作費です。
記事の制作費は1本ごとにかかり、出す本数が増えるほど積み上がります。
記事を外注するときの相場感は1本1万円前後です。
運用費の項目と内容を以下にまとめました。
| 費用の項目 | 内容 |
|---|---|
| 記事の制作費 | 構成・執筆・編集を外に頼む代金 |
| サーバーとドメイン | サイトを公開し続けるための契約の代金 |
| 調査や作成のツール | キーワード調査や記事作成に使うツールの月額 |
| 分析 | 検索順位やアクセスを確かめて記事を直す作業の費用 |
※社内で書く場合、記事の制作費は外注費の代わりに担当者の時間としてかかります。
月10本の記事を外注する場合の運用費を、仮の数字で計算すると以下のとおりです。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 記事の制作費 | 1万円×10本 | 10万円 |
| サーバーとドメイン | 月の契約料の例 | 1,200円 |
| 調査や作成のツール | 月額の例 | 1万円 |
| 分析 | 担当者2時間×時給3,000円 | 6,000円 |
| 月の運用費の合計 | 10万円+1,200円+1万円+6,000円 | 11万7,200円 |
※記事の制作費以外は、説明のための仮の数字として置いています。
時給は社内の人件費を3,000円としました。
合計のうち8割以上を記事の制作費が占め、サーバーやツールの代金は記事の本数を増やしてもほぼ同じ額のままです。
運用費を見積もるときは月に出す本数を先に決めると、記事の制作費から全体の金額を組み立てられます。
参考記事:記事制作代行の費用相場|失敗しない選び方7つの基準と依頼できる工程

社内の人の時間は作り方で20分の1まで変わる
記事制作にかかる社内の人の時間は、記事の作り方によって1本あたり20分の1まで短くなります。
書く作業をAIに任せる範囲が広がるほど、人が手を動かすのは原稿を読んで直す工程に絞られていきます。
例えば私の場合は、記事制作で1本にかかる実動時間を作り方ごとに比べると以下のとおりです。
| 作り方 | 1本あたりの実動時間 | 手書きとの比 |
|---|---|---|
| 手書きで書く | 18〜20時間(2万字の記事) | 基準 |
| AIにプロンプトで書かせる | 約6時間 | 約3分の1 |
| AIエージェントに書かせる | 1時間以内(短いと30分) | 20分の1 |
※実動時間は、AIの処理待ちを除いた人間の稼働時間です。

社内の人件費を時給3,000円と仮に置いて、1本あたりの時間を金額に直してみました。
| 作り方 | 計算 | 1本あたりの人件費 |
|---|---|---|
| 手書きで書く | 3,000円×18〜20時間 | 5万4,000〜6万円 |
| AIにプロンプトで書かせる | 3,000円×約6時間 | 約1万8,000円 |
| AIエージェントに書かせる | 3,000円×1時間以内 | 3,000円以内 |
※時給3,000円は、説明のために仮に置いた数字です。
時間は記事制作での一例で、記事の長さや題材によって短くなる幅は変わってきます。
自社で数えるときは、担当者がいま記事1本に何時間かけているかを書き出すと、請求書に載らない費用がどれだけあるかが見えてきます。
参考記事:AI記事作成で作業時間を20分の1に|一次情報を入れてSEOで勝つ方法
オウンドメディアは内製と外注のどちらが得か
社内の人の時間まで費用に入れると、記事を外注するか自社で作るかで、オウンドメディアの費用対効果は違ってきます。
外注ライターに記事を頼んでいたころと、AIエージェントで内製に切り替えた今を、私(佐藤)が払ってきた費用と時間で比べました。
オウンドメディアの内製と外注の比較
- 外注すると書き直しの時間が外注費に上乗せされる
- 指示を出す手間は書き手が人でもAIでも変わらない
- AIエージェントで内製すれば月3万円台で回せる
外注していたころにかかっていたものから、順に見ていきます。
外注すると書き直しの時間が外注費に上乗せされる
外注した記事の費用には、外注費に加えて、納品された原稿を自社で書き直す時間も上乗せされます。
原稿がそのまま公開できる品質になっていなければ、直す作業は自社の社員に回ってきます。
例えば私の場合は、外注ライターに記事を頼んでいたころ、外注費とは別に書き直しの時間がかかっていました。
私が外注していたころの書き直しの時間
2023年頃、まるごと書き直した15,000字程度の記事では、1本に8〜10時間かかっていました。
※書き直しの時間は測った数字ではなく、私の記憶による目安です。
まるごと私が書き直す記事も多く、直した理由がライターに伝わらないまま、次の記事でも同じ箇所を直していました。
書き直しの時間を金額に直して、まるごと書き直しになった記事1本の本当の費用を仮の数字で計算すると以下のとおりです。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 外注費 | 1本の相場感 | 1万円 |
| 書き直しの人件費 | 時給3,000円×8〜10時間 | 2万4,000〜3万円 |
| 1本あたりの合計 | 1万円+2万4,000〜3万円 | 3万4,000〜4万円 |
※時給3,000円は説明のために仮に置いた数字で、外注費の1万円は記事を外注するときの相場感を使っています。

請求書に載る外注費が1万円でも、まるごと書き直しになった記事では、1本の費用は3〜4倍になります。
外注の見積もりと内製の費用を比べるときは、納品後に自社で直す時間まで外注費に足しておきましょう。
指示を出す手間は書き手が人でもAIでも変わらない
書き手が外注ライターでもAIでも変わらないのが、原稿に修正の指示を出す手間です。
どこをどう直すかを決めて伝えるのは、書き手ではなく編集する側の仕事になります。
例えば私の場合は、外注していたころにライターへの指示の渡し方を何度も変えましたが、指示書を作る手間そのものは減りませんでした。
外注をやめた決め手
2025年〜2026年初めのAIは、良い文章を出す一方で「ここをこうして」と伝える指示がまだ多く必要でした。
AIに渡す指示が、ライターに作って渡していた指示書と同じ作業だと気づき、外注をやめると決めました。
作業が同じであれば、外注とAIで差がつくのは修正の速さとコストだけです。
外注とAIを3つの軸で比べた結果を以下にまとめました。
| 比較軸 | 人間のライターに外注 | AIに書かせる |
|---|---|---|
| 編集者のタスク | ライターに指示書を作って渡す | AIに同じ指示書を作って渡す |
| 修正の速さ | 指摘から数日後に修正版が納品 | 指摘してすぐに修正版が出てくる |
| コスト | 1本ごとに外注費が発生 | 外注費より低い月額 |
同じ指示の手間で修正が速く費用も抑えられるぶん、書き手をAIに替えたほうが外注より得になりやすいです。
参考記事:AIエージェントの作り方を5ステップで解説|最初に任せる業務の選び方つき
AIエージェントで内製すれば月3万円台で回せる
AIエージェントで記事を内製すれば、AIの利用料は月3万円台で済みます。
外注費は本数に応じて1本ごとにかかる一方、AIエージェントの利用料は、利用の上限の範囲内なら本数が増えても同じ月額です。
例えば私の場合は、外注ライターへの支払いと記事の本数が次のように推移しました。
| 年 | 外注ライター | 外注費 | 月の本数 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 10名 | 月20〜30万円 | 約30本 |
| 2025年 | 4名 | 月20万円程度 | 約30本 |
| 2026年 | ゼロ | ゼロ | 45本 |
※人数は外注ライターの人数で、編集を担当する私は含みません。
※月の本数は、外注ライターと私で制作していた記事の本数です。
2026年にAIエージェントのClaude Codeを本格的に使い始め、記事の執筆をAIエージェントに任せたことで、外注ライターはゼロになりました。
私が払っているAIの月額
2026年は外注費がゼロのまま、自社サイトを含めて月45本の記事を作っています。
代わりに払っているのは、Claude Codeを使うための、Claudeの月200ドル(税別・約3万2,000円)のプランです。
※円の金額は、2026年9月25日の日本銀行の中心相場1ドル=158.73円で換算しています。
参考:Anthropic|What is the Max plan?
参考:Anthropic|Notice regarding consumption tax (JCT) for Japanese customers
参考:日本銀行|外国為替市況(2026年9月25日)1ページ
Claudeの契約は記事制作以外のシステム開発などにも使っているので、記事の原価としては多めに見積もった金額です。
2025年と2026年の毎月の支払いを比べると、差額は以下のとおりです。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 2025年の外注費 | 外注ライター4名への支払い | 月20万円程度 |
| 2026年のAIの利用料 | Claudeの月200ドルを円に換算 | 月約3万2,000円 |
| 毎月の差額 | 20万円−約3万2,000円 | 月約16万8,000円 |
※差額には、編集を担当する私の作業時間は含めていません。

自社がいま外注に払っている月額と月3万円台の利用料を並べ、編集する人の人件費を足して、内製に切り替えたときの差額を計算してみてください。
参考記事:SEO内製化が失敗する5つの原因とインハウスSEOを成功させる4ステップ
オウンドメディアの効果測定をする3つの時期
記事を作る体制が決まったら、オウンドメディアの効果測定をいつするかも先に決めておきます。
オウンドメディアの費用対効果は、公開からの時期によって確かめられる数字が違います。
オウンドメディアの効果測定をする時期
- 3ヶ月目は検索順位が付いたかを確かめる
- 6ヶ月目は問い合わせが出始めたかを見る
- 12ヶ月目は累計の費用と売上を比べる
時期ごとに確かめる数字と見る場所を、1つずつ見ていきましょう。

3ヶ月目は検索順位が付いたかを確かめる
公開から3ヶ月目は、記事に検索順位が付いたかを確かめる時期です。
新しく立ち上げたメディアでは、記事を公開してすぐには順位が付きません。
私(佐藤)が運用してきたメディアでは、順位が付くまでの期間はメディアの状態で違いました。
検索順位が付くまでの期間の目安
新しく立ち上げたメディアは、早くて3ヶ月、長くて6ヶ月ほどが順位の付く目安です。
運営実績があり、Googleからの評価が高いメディアなら、1ヶ月かからずに検索結果の10位以内へ入る記事もあります。
3ヶ月目に確かめる数字と、Googleサーチコンソールで見る場所は以下のとおりです。
| 確かめる数字 | 見る場所 |
|---|---|
| 記事が検索結果に表示された回数 | Googleサーチコンソールの表示回数 |
| 記事の検索順位 | Googleサーチコンソールの平均掲載順位 |
| 検索結果から記事が開かれた回数 | Googleサーチコンソールのクリック数 |
参考:Google|Search Console ヘルプ 表示回数、掲載順位、クリック数とは
問い合わせがまだなくても、表示回数が伸びていれば、記事は検索する人の目に触れ始めています。
費用対効果を判断するのは、問い合わせが出始める6ヶ月目からでも遅くありません。
6ヶ月目は問い合わせが出始めたかを見る
6ヶ月目に確かめるのは、記事から問い合わせが出始めたかです。
記事に順位が付く目安の6ヶ月を過ぎると、検索から記事を読んだ人の問い合わせを数えられる段階です。
問い合わせの数は、Googleアナリティクス(GA4)で問い合わせの送信を「キーイベント」に設定しておくと記録できます。
キーイベントとは、GA4で事業の成果として数えたい行動を測るイベントのことです。
6ヶ月目に確かめる数字と見る場所は以下のとおりです。
| 確かめる数字 | 見る場所 |
|---|---|
| 問い合わせの件数 | GA4のキーイベント |
| 最初に読まれた記事ごとの訪問数 | GA4のランディングページレポート |
| 最初に読まれた記事ごとの問い合わせ件数 | GA4のランディングページレポート |
※キーイベントは、以前の「コンバージョン」にあたります。
参考:Google|アナリティクス ヘルプ キーイベントについて
参考:Google|アナリティクス ヘルプ コンバージョンとキーイベント
参考:Google|アナリティクス ヘルプ [GA4] ランディング ページ レポート
件数がまだ少ない時期でも、どの記事から問い合わせが届いたかを記録しておくと、12ヶ月目に費用と売上を比べる材料がそろいます。
12ヶ月目は累計の費用と売上を比べる
公開から12ヶ月目は、それまでにかかった費用の累計と、記事から得た売上を比べる区切りです。
累計で比べると、立ち上げの時期にまとめてかかった費用と、あとから届いた問い合わせを同じ期間の中で見られます。
区切りを12ヶ月目に置いたのは一例で、自社の決算の時期に合わせて変えても構いません。
12ヶ月目に確かめる数字と見る場所は以下のとおりです。
| 確かめる数字 | 見る場所 |
|---|---|
| 12ヶ月間の問い合わせの累計 | GA4のランディングページレポート |
| 問い合わせから受注した売上 | 自社の受注の記録 |
| 12ヶ月間にかかった費用の累計 | 自社の支払いと作業時間の記録 |
12ヶ月間の費用と売上を、仮の数字で比べると以下のとおりです。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 構築費 | 1年目にかかった金額 | 20万円 |
| 運用費の累計 | 月10万円×12ヶ月 | 120万円 |
| 12ヶ月間の費用の累計 | 20万円+120万円 | 140万円 |
| 記事から受注した件数 | 問い合わせ30件×受注する割合10% | 3件 |
| 記事から得た粗利 | 3件×1件あたりの粗利50万円 | 150万円 |
| 回収率 | 150万円÷140万円×100 | 約107% |
※金額と件数は、説明のために仮に置いています。
回収率が100%を超えていれば、12ヶ月間でかけた費用を記事からの粗利で取り戻せた計算になります。
累計の費用と売上を並べた表は、翌年もメディアを続けるかを社内で説明するときの材料です。

売上が累計の費用を下回っているときは、どこで費用対効果が合わなくなっているのかを、原因から確かめていきましょう。
オウンドメディアの費用対効果が合わない原因
累計の費用と売上を比べても合わないメディアには、共通する原因があります。
オウンドメディアの費用対効果が合わない原因は、以下の3つです。
費用対効果が合わない原因
- 一次情報がない記事は上位に入りにくいから
- 扱うテーマが広すぎて専門性が伝わらないから
- 成果が出る前に更新を止めてしまうから
どれも担当者の力量ではなく、メディアの作り方と続け方から起きる原因です。
自社のメディアに当てはまるものがないか、確かめながら読んでみてください。
一次情報がない記事は上位に入りにくいから
一次情報がない記事は検索の上位に入りにくく、オウンドメディアの費用対効果が合わない原因になります。
Googleは、コンテンツを自己評価する質問の1つに「実体験や深い知識(中略)を明確に示していますか」を挙げています。
参考:Google検索セントラル|有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
私(佐藤)がクライアントのメディアで記事を作ってきたなかでも、上位を取りにくい記事には共通点がありました。
上位を取りにくい記事の共通点
上位を取りにくかったのは、ネット上の情報をまとめただけで、自社にしかない数字や事例が入っていない記事でした。
同じAIエージェントで書いても、クライアントからもらった一次情報を入れた記事は上位に来やすい傾向がありました。
技術系と就職・転職系で検索1位を取り、副業・フリーランス系とAI系で上位に入ったのは、どれも一次情報を入れた記事です。
一次情報のない記事は本数を増やしても検索からの入口になりにくく、制作費だけが積み上がっていきます。
扱うテーマが広すぎて専門性が伝わらないから
費用対効果が合わない原因になりやすいのが、扱うテーマを広げすぎて、何を専門にするメディアかが伝わらない状態です。
テーマを広げるほど1つの分野に割ける記事は減り、読者から見て何を相談できる会社なのかが見えにくいです。
Googleも、サイト運営者が自己評価するための質問に「サイトには主要な目的またはテーマがありますか」を入れています。
参考:Google検索セントラル|有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
Googleは検索ランキングシステムについても、ページ単位の評価を基本にしながら、サイト全体のシグナル(評価に使う手がかり)も使っていると説明しています。
参考:Google検索セントラル|Google 検索ランキング システムのご紹介
専門性が伝わりにくいメディアの例は以下のとおりです。
専門性が伝わりにくいメディアの例
- 事業と関係のないテーマまで検索数で選んだメディア
- 複数の事業の記事を1つのサイトに混ぜたメディア
- 業界ニュースから社員の日常まで載せるメディア
事業と関係のないテーマの記事は読まれても問い合わせにつながりにくく、本数を増やすほど費用対効果は下がっていくでしょう。
成果が出る前に更新を止めてしまうから
成果が出る前に更新を止めたメディアでは、それまでにかけた制作費を回収できません。
オウンドメディアの費用は記事を作った時点で先に出ていき、問い合わせや売上は検索順位が付いたあとから入ってきます。
メディアの更新が止まる例
例えば、問い合わせがまだ来ていない段階で「効果がない」と判断され、次の期の予算から記事の制作費が外されるケースです。
更新が止まると記事の本数もそこで増えなくなり、公開済みの記事だけで制作費を回収しなければならなくなります。
オウンドメディアで費用対効果を出せる会社の条件
オウンドメディアで費用対効果を出せるかは、自社から一次情報をどれだけ出せるかで決まると私(佐藤)は考えています。
前述のとおり、いまのSEOでは一次情報が入った記事ほど評価されて、検索の上位に来やすくなっています。
検索の上位に来れば読まれる回数が増えるので、記事にかけた費用を問い合わせや売上で回収しやすいです。
費用を回収できる会社の条件を、出せる一次情報の種類と量で以下にまとめました。
費用対効果を出せる会社の条件
- お客様の声を記事にできる会社は成果が出やすい
- 社員の体験談を出せる会社は競合と差がつく
- SNSで日常的に発信している会社は材料が多い
- 一次情報をほとんど出せない会社は始めないほうがよい
自社がどれに当たるかを確かめながら、順番に見ていきます。
お客様の声を記事にできる会社は成果が出やすい
お客様の声を記事にできる会社は、オウンドメディアで成果が出やすいです。
導入前の課題や導入後の変化をお客様の言葉で書くと、同業の他社には書けない内容になり、検討中の読者が知りたい情報そのものになります。
記事にできるお客様の一次情報と、記事にしたときの例は以下のとおりです。
| 出せる一次情報 | 記事にしたときの例 |
|---|---|
| お客様の導入事例 | 導入前の課題と導入後の変化を追う記事 |
| お客様の声・アンケート | 選ばれた決め手をお客様の言葉で伝える記事 |
| お客様との体験談 | 商談や問い合わせでのやり取りを紹介する記事 |
営業や問い合わせ対応でお客様の話を日ごろ聞いている会社なら、新しく取材しなくても記事の材料をそろえられます。
社員の体験談を出せる会社は競合と差がつく
競合と差がつきやすいのが、社員の体験談を記事に出せる会社です。
同じ業界で同じテーマを扱っても、社員が現場で経験したことは会社ごとに違うので、他社の記事より独自性が出ます。
自社の中から出せる一次情報と、記事にしたときの例を以下にまとめました。
| 出せる一次情報 | 記事にしたときの例 |
|---|---|
| 社員の体験談 | 現場で起きたつまずきと乗り越え方を紹介する記事 |
| 社長の個人的な体験 | 事業を始めたきっかけと判断の理由を伝える記事 |
| ベテラン社員の失敗談 | 同じ失敗を防ぐ手順を伝える記事 |
社員に話を聞く時間を取れる会社であれば、競合と同じテーマを扱っても自社にしか書けない記事にできるでしょう。
SNSで日常的に発信している会社は材料が多い
自社のアカウントでSNSを日常的に発信している会社は、記事の材料を多くもっています。
日々の投稿には、お客様からの反応や職場の出来事など、自社にしかない一次情報が入りやすいです。
発信している場所ごとに、記事にできる材料の例を以下にまとめました。
| 発信している場所 | 記事にできる材料 |
|---|---|
| Xの会社アカウント | お客様からの反応とよく届く質問 |
| Instagramの会社アカウント | 商品やサービスを使った場面の写真と説明 |
| 自社のYouTubeチャンネル | 動画で話した作業の手順や現場の様子 |
過去の投稿が積み上がっている会社ほど、記事にするテーマをゼロから探す手間がかかりません。
一次情報をほとんど出せない会社は始めないほうがよい
オウンドメディアを始めないほうがよいのは、一次情報をほとんど出せない会社です。
記事の中身がネット上の情報のまとめに近くなり、制作費をかけても他社の記事との違いを出しにくいです。
メディアを始めるかで私が勧めていること
経営者から「オウンドメディアをやるべきか」と聞かれたら、その会社が一次情報をなかなか出せない場合は、やめておいたほうがよいと私は答えています。
反対に、一次情報をたくさんもっていて、どんどん出せる会社なら、成功する確率は高いと考えています。
始める前に、自社で次の3つを確かめておきましょう。
始める前に自社で確かめること
- お客様の声や導入事例を記事に載せられるか
- 体験談を話してくれる社員や社長がいるか
- 会社としての実績を数字で出せるか
3つとも答えが「いいえ」だった会社でも、社長が講演で話した内容や会社のSNSの投稿など、すでに外に出ている発言を拾い直せば一次情報になります。
拾い直した材料が記事何本分になるかを数えてから始めれば、制作費をかけたあとで書く材料が尽きずに済みます。
参考記事:AI顧問の費用相場と選び方|相談できること9選と契約前に確認する6項目

オウンドメディアの費用対効果を高める方法
自社に記事にできる一次情報があるとわかったら、次は同じ費用のまま回収を早める段階です。
オウンドメディアの費用対効果は、予算を増やさなくても記事の選び方と手の入れ方で高められます。
オウンドメディアの費用対効果を高める方法
- 問い合わせにつながるキーワードから記事にする
- 順位が伸びない記事は社内の事例を足して書き直す
- 記事の最後に問い合わせへの導線を置く
3つとも、予算をほとんど増やさずに手を付けられる方法です。
1つずつ解説していきます。
問い合わせにつながるキーワードから記事にする
オウンドメディアで先に書く記事は、問い合わせにつながるキーワードから選びます。
発注先を探している人が検索する語で記事を作ると、少ない本数でも問い合わせの入口ができます。
業務用エアコンの工事会社を例にすると、問い合わせにつながるキーワードの種類は以下のとおりです。
| キーワードの種類 | 例 |
|---|---|
| 依頼先を探すキーワード | 業務用エアコン 工事 業者 |
| 費用を調べるキーワード | 業務用エアコン 交換 費用 |
| 困りごとを調べるキーワード | 業務用エアコン 冷えない 原因 |
※業種とキーワードは、説明のための仮の例です。
「エアコン 仕組み」のように知識を調べる語は、読まれても工事の依頼につながるとは限らず、同じ制作費でも問い合わせを生みにくくなります。
まずは過去の問い合わせメールを読み返し、お客様が使っていた言葉をキーワードの候補として書き出すところから始めましょう。

順位が伸びない記事は社内の事例を足して書き直す
社内の事例を足して書き直したいのが、公開しても順位が伸びない記事です。
前述のとおり、社内の事例のような一次情報が入った記事は、検索の上位に来やすくなります。
記事の構成や見出しはそのまま使えるので、書き直しにかかるのは事例を集めて書き足す時間だけです。
書き直しは、次の4つの手順で進めます。
順位が伸びない記事を書き直す手順
- Googleサーチコンソールで掲載順位の低い記事を選ぶ
- 記事のテーマに合う社内の事例を集める
- 読者の疑問に答える箇所へ事例を書き足す
- 書き足した日を記録して順位の動きを見る
例えば「業務用エアコン 交換 費用」の記事なら、交換を請け負った店舗での工事日数や見積もりの内訳を書き足します。
新しい記事を1本作るより手間をかけずに済むので、まずは掲載順位の低い記事を1つ選び、現場の社員に事例を聞いてみてください。

記事の最後に問い合わせへの導線を置く
問い合わせへの導線は、記事の最後に置きます。
最後まで読んだ人は悩みの答えを受け取ったあとなので、次の行き先が目の前にあると問い合わせへ進みやすくなります。
記事の最後に置くものは、以下のとおりです。
記事の最後に置く問い合わせの導線
- 記事で扱った悩みに合う自社サービスの案内
- 問い合わせフォームへのボタン
- 同じ悩みを解決した導入事例へのリンク
例えば「業務用エアコン 冷えない 原因」の記事なら、原因を解説したあとに点検の依頼フォームへのボタンを置きます。
導線を置くのに新しい記事は要らないので、公開中の記事の最後を読み返し、問い合わせフォームへのボタンがない記事から足していくのがおすすめです。
オウンドメディアの費用対効果に関するよくある質問
最後に、オウンドメディアの費用対効果についてよくある質問に答えていきます。
稟議の前や、メディアを続けるか迷ったときに出てくる質問を選びました。
Q.コンテンツマーケティングでも同じ考え方ですか?
コンテンツマーケティングの費用対効果も、オウンドメディアと同じ考え方で測れます。
記事の他に動画やメールマガジンを使う場合も、目的ごとに成果の数字を決めて、かけた費用と比べる流れは同じです。
動画を加えるなら、撮影や編集にかかる社内の時間も費用に含めて計算してみてください。
Q.AIで書いた記事はGoogleに評価されますか?
AIで書いた記事でも、Googleは作り方ではなく中身の価値で判断します。
あるトピックを調べるときなどにAIを使うのは、公式のガイダンスでも便利な使い方とされています。
Googleのスパムポリシーのうち、AIの使い方に関わるのは、利用者にとって価値のないコンテンツを、作成方法を問わず大量に作る行為です。
スパムポリシー違反になり得るAIの使い方
価値を付け加えないまま、生成AIで大量のページを作ると違反になり得ます。
検索順位の操作を目的に、AIなどの自動化でコンテンツを作る行為も違反と見なされます。
順位を狙う記事では、AIに書かせる場合も自社にしかない事例や数字を足しておきましょう。
参考:Google検索セントラル|AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス
参考:Google検索セントラル|Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
参考:Google検索セントラル|ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス
参考:Google検索セントラル|有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
Q.成果が出ないメディアはやめるべきですか?
すぐにやめる必要はなく、続けるか止めるかはメディアの状態を見て決めます。
成果が出ていない理由が本数や導線にあるなら、手を入れれば回収に近づく余地があります。
メディアの状態ごとの判断の目安は、以下のとおりです。
| メディアの状態 | 判断 |
|---|---|
| 記事の本数がまだ少ない | 本数が積み上がるまで継続 |
| 検索で表示されるのに問い合わせがない | 記事の最後に置く導線の見直し |
| 社内から一次情報がほとんど出てこない | 止める判断も含めた見直し |
| 書き直しても順位と売上が下がり続ける | 更新の停止と、費用を他の集客へ回す判断 |
表の最後の行に当たるなら、更新を止めるのも、これ以上費用をかけないための判断です。
例えば私(佐藤)の場合は、最初に立ち上げた個人ブログ「さとうのキモチ」の更新を止めた経験があります。
私がブログを止めたとき
さとうのキモチは、企業から仕事の依頼が届いていた時期もある、いろいろなテーマを扱う雑記ブログです。
アフィリエイトによる収益は、最高で月20万円程度でした。
2022年頃から、私のブログではSEOの変化についていけていないと感じ、収益も減っていきました。
そこで損切りを決め、サイトは公開したまま更新を止めています。
同じ2022年の8月、Googleは英語の検索で「有用なコンテンツのアップデート」を始め、12月には日本語を含むすべての言語に広げています。
有用なコンテンツのアップデートとは
有用なコンテンツのアップデートとは、アクセス集めが目的のコンテンツより、人のための有用なコンテンツを検索結果に出す仕組みを導入した更新のことです。
この仕組みは2024年3月に、検索順位を決める中心の仕組みへ組み込まれました。
前述のとおり、Googleはコンテンツの自己評価の質問に、サイトに主要な目的やテーマがあるかも入れています。
私のブログはテーマを1つに絞らない雑記ブログだったので、この一連の変化の影響を受けたと考えています。
参考:Google|More content by people, for people in Search
参考:Google Search Status Dashboard|December 2022 helpful content update
参考:Google検索セントラル|Google 検索ランキング システムのご紹介
参考:Google検索セントラル|有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
続けるか止めるかで迷ったら、まずは自社のメディアが表のどの状態に当たるかを社内で確かめてみてください。
参考記事:オウンドメディアは意味ない?意味がないままの原因と改善する方法を解説
Q.費用対効果は稟議でどう説明すればいいですか?
稟議書に載せるのは、かける費用と回収までの見通しを表す数字です。
金額と期間がそろっていると、決裁する人は広告など他の集客方法と同じ物差しで比べられます。
稟議に載せる項目と数字の例を、以下にまとめました。
| 項目 | 載せる数字 | 仮の数字の例 |
|---|---|---|
| 初期費用 | サイトの構築費とドメイン代の合計 | 20万円 |
| 月の費用 | 記事の制作費・ツール代・社内の作業時間を時給で換算した金額 | 月10万円 |
| 本数 | 月の公開本数と1年後の累計本数 | 月8本・1年で96本 |
| 回収までの期間 | 費用の累計を回収できるまでの見込みの月数 | 早い見込み12ヶ月・遅い見込み18ヶ月 |
| 必要な問い合わせ件数 | 費用の回収に要る月あたりの件数 | 12ヶ月なら月約2.3件・18ヶ月なら月約2.2件 |
※仮の数字は、12ヶ月目の計算例と同じ前提(受注する割合10%・1件あたりの粗利50万円)で置いています。
回収までの期間は1つに決めず、早い場合と遅い場合の2つの見込みを並べておくと、決裁する人も判断しやすくなります。
まずは外注する場合の見積もりと、記事1本に社内でかかる作業時間を書き出すところから数字をそろえていきましょう。
まとめ|費用対効果は一次情報を出せるかで決まる
オウンドメディアは、記事が積み上がるほど問い合わせ1件あたりの費用が下がっていく集客方法です。
ただし、最終的に費用対効果を決めるのは記事の本数ではなく、自社にしかない一次情報を記事に出せるかです。
記事の要点を以下にまとめました。
オウンドメディアの費用対効果の要点
- 費用対効果は目的ごとに割る数字を決めて計算する
- 外注費には書き直しの人件費まで足して考える
- AIエージェントで内製すると社内の時間と外注費を減らせる
- 効果測定は3ヶ月目・6ヶ月目・12ヶ月目で見る数字を変える
- 一次情報をほとんど出せない会社は始めないほうがよい
「費用をかけても回収できないのでは」と迷うのは、何を材料に記事を書くかが決まっていないうちです。
お客様の声や社員の体験談を出せる会社なら、いまのSEOで評価される記事を作れます。
まずは、自社が記事に出せる一次情報を書き出して、何本分の材料があるかを数えるところから始めてみてください。
ここまで読んで、記事を作る社内の時間をどう減らすかで止まっているなら、人を増やさなくても手順を整えれば解決できます。
私(佐藤)も、毎回ライターに渡していた指示を書き出してAIエージェントの側へ移したことで、外注ライターをゼロにできました。
この記事も、そうして組んだ記事作成AIエージェントが、一次情報の聞き取りから下書きまでを担当しています。
公開している記事作成の仕組み
- 記事の工程をどこまでAIエージェントに任せているか
- 毎回の指示をどう書き方のルールに変えたか
- 一次情報をどう聞き出して記事に入れているか
- どの工程で人が確認しているか
どんなルールをAIエージェントに覚えさせているかは、この記事の作り方としてそのまま公開しています。
この仕組みを自社の記事制作に当てはめられるかは、いまの工程を書き出すと見えてくるでしょう。